信州・温泉巡り | ROAD TO THE COMPLETE MESSIAH OF THE WORLD・・・

信州・温泉巡り

1月をもって俺のラストテストは幕を閉じた。


怒濤の如く過ぎていった大学生活も順調にいけば残りのイベントは卒業式のみとなった。

ラストテストの、
『経済政策のミクロ分析』
は、解答用紙に殴り書きのような感じでめいいっぱい記して35分後に、そそくさと途中退出したことで、呆気なく終了した。

試験終了後の心境は、意外と言うべきか、感傷に浸ることもなく例年と同じように気分爽快なものであった。







翌日、

2月1日~3日にかけては、

父とともに信州の温泉巡りの旅をしてきた。


今までのカラダの垢を取るべく、毎年恒例の豪雪地帯温泉巡りの旅をしている。

有明が刻には出発し、朝の内には長野に到着。



→長野駅前。

雪がない!
もろに暖冬の影響を受けているようだ。

そんな状況に少々閉口しながらも最初の目的地、野沢温泉へと動き始めた。
豪雪地帯なだけに、積雪はあったものの、やはり少ない。
しかし、
到着と同時に、雪の華麗なる舞が俺を出迎えてくれたのは、実にいとをかし、だったっ。

野沢温泉では、
公衆浴場の定番な大湯で入浴した。






浴槽が2つあったけど、
2つとも、とにかく熱い!
その中でもより熱い方は、まるで熱湯地獄のような熱さであった。
1秒もしないうちに、俺は躍り出るように浴槽から飛び出してしまったっ!
温い方も熱かったものの、そっちはなんとか入ることはできた。
ただ、熱さがじわりじわりとやってくるw
別の人は、温い方の湯ですらも2分も保たずに、せっせと服を着て出ていってしまう始末であった。

真っ赤で十分すぎるくらいに火照ったカラダで、温泉を使って野沢菜を煮込んでるとこで有名な『麻釜』を見、
信州そば・野沢菜おやきと、地元料理を食したりして野沢温泉を巡った。
行き先によってバスターミナルの場所が変わってしまうのに苦戦しながらも、
なんとか予定のバスに乗り込み、長野へ戻った。


長野駅から、
本日の宿泊先である渋温泉へ向かうべく長野電鉄というローカル私鉄に乗り込む。

その長野電鉄は実に面白い鉄道だ。
まずローカル私鉄にしては珍しく始発駅が地下なのである。
そして、
さらに奇妙なのは、東急田園都市線・小田急ロマンスカーや日比谷線の、都落ちした中古車が一同に揃っているのである!






『首都圏私鉄中古車の見本市』
のような様相をありありと見せている鉄道でもあった。


その元ロマンスカーの展望席で鉄道マニアによる車両の題目を延々と聞きながら、湯田中駅到着。


程なくして宿泊先の渋温泉金具屋に着いた。






重要文化財、読者が選ぶ温泉宿4位…、
といった様々な勲章を持つ由緒ある名旅館なのだが、

最大の特徴は、
旅館内に10も違った風呂を持つ、
レトロな温泉テーマパークである点だろうねぇ。


そんな金具屋来てしまえばやることは決まってる。



温泉風呂巡り。




夜・朝を通じて、

合計で4つ廻った。

半分にも達しなかったけど、

それでも十分すぎるほどに渋温泉を堪能できたので、

満足している。


渋温泉は、

いかにも『日本の温泉街』、
ちゅ~感じで文化財クラスの宿がゴロゴロあって、リアルに心が癒された。

これぞ日本人の心だ、
と素で思ったりした。

途中、足湯があって、それに浸かったっちゅうことが大きいかもしれないが…w





宿出発後、
再び長野電鉄の元ロマンスカーで長野駅に向かって、JR篠ノ井線を待った。


ここで昨日の長野電鉄の不思議な点を補足すると、
湯田中駅では、
電車が到着と同時に志賀高原の歌らしきものが突如流れ、駅全体が明るくなるところは、他の駅には無い現象であった。


話を戻すと、
篠ノ井線に乗ったのは、伝説で有名な姨捨に行くためであった。

電車はぐんぐん登り、スイッチバックポイントに姨捨駅がある。



絶景だ!



    



さすが日本3大車窓!

長野市などの、
善光寺平が一望できる。

遠くには長野市や千曲市、千曲川、

雪をかぶった、
飯綱山や妙高山、志賀高原などの山々、
そして『田毎の月』で有名な知られる棚田など、
いろんな表情を持った長野が一気に凝縮されてる感じで、
都会のタワーとは違う絶景にすっかり魅了されてしまった!


姨捨では、
交通手段を高速バスに変えて松本へ直行。


松本にも松本電鉄というローカル私鉄があるが、
これも自転車を電車に持ち込めるっちゅ~風変わりな特徴を持っている。

その松本電鉄に乗り込んで、
宿泊先の白骨温泉に近づいていった。

しかし、
鉄道の終点からもまだまだ遠い。

バスに乗り換えた。


バスで山奥へ向かっていってもなかなか白骨に着かない。

そのうち、
雪も多くなってきた。

その点からも、
白骨温泉は相当な山奥にあんだろな、
と思うちょっていたが、その位置の辺鄙さは想像をはるかに超えていた。




標高1450m。(推定)
夕方前ですでに、
気温-7℃。




高い山々が周囲を囲む中でひっそりと集落を形成している白骨温泉は、
いくつものエグいヘアピンカーブを越えないと行けない奥地中の奥地だった。


とにかく寒い。
暖冬でろくな寒さを経験してない俺のカラダにはかなり応えた。

晴れてるのに地吹雪だった。



バスは白骨温泉に着いた。

しかしこの日の俺にはツキがあるらしい。

「これは歩くのきつそうだな…」
と思っていたが、送迎が着てくれたんで自然の猛威を避けることができた。

新宅旅館が2日目の宿。



とことん運がいいらしい。

客が少ないので、
部屋をトップグレードのにしてもらった。


マジで広い…ww



温泉は、
「さいっこ~だ!」のオンパレードだった。

十分すぎるほどの硫黄の臭いに、鮮やかな乳白色。
そして雪見露天風呂。

これぞ、
『キングオブ硫黄泉』
といえる温泉だ。

ただ、露天風呂への道は内湯から少々歩くので、-10℃近くになる中を裸一貫で向かうのはさすがにエグかった。
大浴場も良かったけど、さらに最高だったのは、
貸切で風呂が借りられたことだったっ!

浴槽独占は最高そのもの!
しかも露天風呂付き!



      

硫黄臭ぷんぷんのカラダのまま、

2日目の夜を越していった・・・。






3日目。

この日も東雲が刻に目が覚めた。

起きてまずしたことは、窓を開けたことだった。

白い吐息が、蒸気機関車並みのレベルだった。



めっちゃ寒かった。

空は雲一つ無き快晴。
こういう時には、また余計に冷える。


旅館の人曰わく、
-12℃だったらしい。
しかし、
菅平高原では、
-23℃だったことを考えれば、
実際にはもっと冷えていたに違いない。

ただ、
そういうときの露天風呂は素晴らしかった。
きんきんに冷える中での温泉の温かみ…
温泉のありがたみをより一層実感できた。

入浴後の散歩も、足下はスリッパでとても色々と歩けるような状態ではなかった。
しかし、ネコが悠然と動きまわっているのには唖然とした。
雪は言わずもがな粉雪だった。

朝食・チェックアウトをして、
再びバスで乗鞍岳の写メを取りまくりながら、
松本へ向かう。





松本は暑かったwww
上と下界との気温差は15℃以上だった。


最後の温泉巡りは、
松本市内の浅間温泉。
町中というのに人がいない閑散とした道を歩いて、枇杷の湯に到着し、入浴した。






白骨温泉の硫黄臭がべっとりとこびりついたままであった。
ここで想定外の事実がわかった。


俺の顔が日焼けしていたことであった。


髭をそったとき、
どことなく温泉が顔にしみてくるんで、
「これ、温泉負けしたんかな?」
と思っていたけど、
鏡を見たら、
顔が赤くなっており火照っていた。

どうやら、
行きのバスの際に、
陽光側に座ったために、
高地でより一層パワーを増した直射日光と雪による反射が、
短時間で俺の顔をあっという間に、
現地のいなかっぺ小僧同然にさせてしまったらしい。


最後の入浴を終えた。
あとは、帰るだけだ。

スーパーあずさの車中で、
新宅旅館でもらった弁当を頬張りながら、
すっかり山中の現地人のような顔つきのまま、
家路への道を歩んでいったのであった……。。